
あなたのスキンケア選びは、“演出”に惑わされていませんか?
化粧品を選ぶとき、つい「成分」「使用感」「香り」から効果を想像して選ぶことはありませんか?
実はそれらは、開発の現場でよく使われる”演出”の一種かもしれません。
演出は決して悪いことではなく、「心地よさ」や「使いやすさ」を感じてもらうために工夫されたものです。
しかし、その“演出”が必ずしも肌にとって必要なものとは限りません。「乾燥が気になるから保湿力の高いとろりとした化粧水を選んだのに、翌朝には肌が乾燥している」そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
それは、実際の保湿効果というよりも、“とろみ=うるおい感”という演出に惑わされていることもあるのです。
私は大学で化学科を専攻し、その後化粧品開発の現場で数々の製品に携わってきました。
その経験から、「肌に本当に必要なもの」と「演出による効果」の違いを強く実感しました。
この記事では専門的な成分名を並べるのではなく、スキンケア初心者でも理解しやすい「肌にとって本当に大切な視点」から、正しいスキンケアの選び方をお伝えします。
1. 「演出」に惑わされずスキンケアを選ぶには
スキンケア製品の多くは、「成分」「使用感」「香り」で選ばれがちです。もちろんそれらが悪いわけではなく、「使いたくなる気持ち」を作る上では大切な部分です。ですが「心地よい=肌に必要」とは限りません。
例えばこんな経験はありませんか?
•夜しっかりスキンケアしたはずなのに、翌朝起きたら乾燥している
•使った直後はうるおっているのに、時間が経つとカサついてメイクノリが悪い
これは、実際に肌がうるおっているのではなく、“保湿されているように感じた演出”の影響かもしれません。
化粧品の開発現場では、料理で片栗粉を使って「とろみ」を出すのと同じように、”増粘剤”という成分や、 透明な液体を白く見せ、リッチに感じさせる”濁り剤”、”パール剤”といった成分があり、「見た目や使用感の印象」を演出することがあります。
使用感をよくする粘度に調整したり、乳化物や懸濁液のクリーミング速度を抑制し安定性の向上および保持目的で用いられます
引用:化粧品成分オンライン
他にもパール剤というものもあり、よくボディーソープにも配合され、キラキラと見せることができます。
引用:日本化粧品技術者会
こうした工夫は「使った瞬間の使いやすさや満足度」を高めますが、必ずしも翌朝の肌状態に直結しません。
その場で保湿されたように感じても、結局は肌に十分な保湿が届いていないため、翌朝の乾燥やゴワつき、メイクノリの悪さにつながってしまうこともあるのです。
本当に自分に合うスキンケアを選ぶには、「その場の使用感」ではなく「翌朝の肌状態」までチェックすることが大切です!
乾燥していないか? ゴワついていないか? 化粧ノリは改善しているか?
どんなに「良い成分が配合されています」とアピールされていても、翌朝の肌が整っていなければ意味がありません。
むしろ、本来は肌が整った状態で夜のスキンケアを丁寧にしていれば、翌朝は軽く化粧水をなじませる程度で十分に一日の潤いが保たれるはずなのです。
だからこそ、演出に惑わされず「翌日の肌の調子」で判断することが、自分に合ったスキンケアなのかどうかを見極めるポイントです!
2. 正しいスキンケアの選び方とは、「目的を知る」こと
スキンケアの基本的な目的は、とてもシンプルです。
1.水分補給
2.保護
この2点。
難しい成分名を覚える必要はありません。大切なのは、「自分の肌にとって必要な役割」を満たしているかどうか。
具体的には以下の3つが基本です。
• 保湿 … 肌の水分を保ち、乾燥を防ぐ
• バリア機能の補助 … 外部刺激から守る
• 低刺激 … 肌に負担をかけない
「多機能オールインワン」「最新美容成分〇〇配合」といった響きに惹かれがちですが、肌に必要なのはむしろ基本性能の高さです。
3. 肌にとって本当に大切なものとは?
私たちの肌は、日々の環境に合わせてうるおいを保とうとしたり、乾燥や外的要因に応じてバランスをとろうとする性質があります。
- 角質層 … 水分を抱え込みやすい構造を持つ
- 皮脂膜 … 表面をおおって乾燥を防ぐ
- 天然保湿因子(NMF) … うるおいを引き寄せ保持しやすくする
スキンケアの役割は、こうした肌のはたらきをサポートし、心地よい状態へと導くことにあります。
つまり「どんな成分が入っているか」だけではなく、「自分の肌とどう関わってくれるか」に目を向けて選ぶことが大切です。
4. 忙しいあなたに最適な“シンプルスキンケア”
SNSなどで紹介されるスキンケアルーティンは、何ステップもあることが多いですよね。
でも、忙しい日々を送っている人にとって、それを毎日続けるのはなかなか難しいもの。
実際に大切なのは、次のシンプルな3ステップを意識することです。
・落とす ー 汚れや汗を落とす
・保湿 ー水分や油分を補い、乾燥を防ぐ
・UVケア ー紫外線によるダメージから肌を守る工夫をする
多くの場合、この基本を押さえるだけでスキンケアは十分と考えられます。
むしろ過度なスキンケアは、かえって負担を感じることもあります。
忙しい人ほど、必要な要素をシンプルに満たすケアを。
続けられるスキンケアが、結果として肌をすこやかに保つことにつながります。
5. 成分より「働き」に注目するスキンケアの選び方
スキンケアを選ぶとき、つい「セラミド配合」「ビタミンC誘導体入り」といった成分名だけで判断してしまいがちです。
しかし実際には、その成分が一般的にどのような目的で使われているのかを知ることが大切です。
例えば…
•「セラミドが入っている」→「肌を保湿しバリア機能を高める」
•「ビタミンC誘導体入り」→「肌の明るさや透明感がほしい人に」
•「ヒアルロン酸配合」→「肌の潤いを保ってくれる」
このように、「自分が気になる肌の状態やライフスタイルに合った目的のものかどうか」を軸に考えると、自分に合ったスキンケアを選びやすくなります。
また、パッケージの表現にはイメージ訴求も含まれているため、気になる商品に出会ったときも「この成分の役割は自分に必要かな?」と確認することがポイントです。
6. スキンケア開発の現場で見た「本当にいいもの」
化粧品の開発現場に携わって感じたことがあります。
それは、必ずしも「成分の量や効果だけで作られているわけではない」ということです。
開発にはコストや使い心地の制約もあり、実際には 肌に触れたときの心地よさや、使いやすさ を重視した製品も少なくありません。
例えば…
・肌にスッとなじむテクスチャー
・ベタつかないさらりとした使い心地
・香りや見た目の高級感
こうした「感触や見た目の良さ」が優先されることもあります。だからこそ、消費者としては 演出と本質の違いを見極める目 を持つことが大切です。
正しいスキンケアとは、派手な演出がなくても 肌の快適さやうるおい環境を整えるサポートをしてくれるもの。
シンプルでも、自分の肌を心地よく保てるスキンケアこそ、長く続けやすい“正しいスキンケア”と言えます。
【まとめ】スキンケアの選び方に迷わないために
「スキンケアの選び方」で迷わないために、押さえるべきポイントを整理します。
演出に惑わされず、「働き」で選ぶ、目的は「肌の快適さやうるおい環境を整える」こと
・シンプルなケアが一番長続きする
・成分名より「自分の肌に必要な役割」で判断する
スキンケアに正解は一つではありません。ですが、肌に必要な要素は意外とシンプルです。
迷ったときは、今回紹介した「肌に必要なことを意識する視点」で選んでみてください。
毎日忙しいあなたの肌に合ったスキンケアが見つかり、よりシンプルで心地よいスキンケア習慣につながりますように。
▼UUBU
カタにはまらず、自分らしさを大事にして欲しいなと
想いを込め UUBU(ウーブ)と名付けました。